お金の基礎知識

【書評】『生涯投資家』村上世彰著/投資のポイントが詰まった一冊

 

こんにちは!ナミ@猫好き投資家です。

2000年代にメディアを賑わせた「物言う株主」村上世彰氏の著書『生涯投資家』を読みました。

 

ナミ
ナミ
投資家として心得ておくべきポイントを学べます。所々で垣間見える村上氏の人柄が、自分が今まで勝手に抱いていたイメージと全く違い、いい意味で裏切られました。

 

本書で学べること
  1. 投資哲学
  2. 村上氏の投資のスタイル
  3. 村上氏の投資家としての人生
  4. 「上場企業」のあるべき姿ーー株式を上場することの重み
  5. 日本とアメリカの株式市場の比較

 

この記事では、特に①、②、⑤について詳しくご紹介したいと思います。

 

投資哲学

 

個人の投資家としてもファンドとしても実績のある方ですが、投資の基本スタイルは一般的でした。

 

  • 値が上がり始めたら買い、下がり始めたら売る。最安値で買ったり、最高値で売れるものではないので、欲を出さない。
  • 失敗しない投資はない。重要なことは、失敗に気が付いた時に、いかに素早く思い切った損切りができるか。

 

ナミ
ナミ
投資においても、「基本に忠実に従う」ことは、簡単なように見えて難しく、そして大切なポイントですね。EXIT(出口)戦略もあらかじめ決めておき、その状況になったら(=失敗の公算が高まったら)迷わず行動に移すことが大事です。

 

この言葉は、村上氏が父親から学んだことだそうです。目まぐるしく状況が変化する投資の世界においても、何十年も前からのシンプルな教えが現在においても変わらず重要なんですね。

 

村上氏の投資スタイル

 

本書の中で、村上氏は自身の投資スタイルを徹底的したバリュー投資と述べています。

 

そもそも、投資とは何でしょうか。本書では以下のように説明されています。

そもそも投資とは何かという根本に立ち返ると、「将来的にリターンを生むであろうという期待をもとに、資金(資金に限らず、人的資源などもありうる)をある対象に入れること」であり、投資には必ず何らかのリスクが伴う。しかしながら投資案件の中には、リスクとリターンの関係が見合っていないものがある。それを探し、リターン>リスクとなる投資をするのが投資家だ

 

今は簡単に投資に関する膨大な情報を手に入れられる時代ですが、投資は必ずリスクがあります。「本に書いてあったから」「有名なあの人が言ってたから」という受動的な姿勢ではなく、きちんと理解した上で自らの責任で自らの判断で投資をするのが大切だなと思いました。

 

 

また、以下のようにギャンブルや宝くじも「将来リターンを生むという期待」が低いとして投資の対象から外しているそう。

この期待値という観点から割り出すと、宝くじは0.3、公営ギャンブルは0.75、カジノは0.9強となる。これらは期待値1.0を下回っているので、私は手を出さないことにしている。

 

以前宝くじと株式投資とを比較してみましたが、村上氏独自の期待値の分析においても宝くじは極端に低いことが分かります。当たるかどうかワクワクする一つの余興として楽しむ分には良いですが、投資の手段として選択するのは誤っていると私は思います。

 

日本とアメリカの株式市場の比較

 

本書において以下のように、投資家が投資を決める期待値とはつまり成長であると述べられています。

 

成長とは、投資家にとっては将来のリターンであり、投資をする理由そのものだ。

 

かつて世界経済を牛耳っていた日本がアメリカに大幅に遅れをとってしまった要因として、アメリカの企業は積極的に投資を行うことで活発にお金を循環させているのに対し、日本の場合は財務の健全が重要視されているため内部留保が膨らみ、資金が正常に循環していない、と指摘されていました。

 

 

例としてソフトバンクの積極的な投資が挙げられていました。ソフトバンクに限らず、IT企業の投資がニュースになるたび、ネガティブな意見が目立っていましたし、私も素人考えで「借入額1兆円超えてるってヤバいんじゃない?」って思っていましたが、ソフトバンクの投資の場合はしっかり株主価値の向上に繋がっているようです。こうした姿勢が、日本経済全体の成長に貢献していくのでしょう。

 

そのため村上氏は本書において、上場している企業(=不特定多数の投資家が株式売買の対象となる会社)が、企業価値を上げる努力(=株主価値の最大化を目指す経営)がなされているかを、株主が企業を監視・監督する制度であるコーポレート・ガバナンスの重要性を終始訴えています。

 

村上氏はかつて「物言う株主」と呼ばれていましたが、まさに企業価値の最大化実現のため、株主の立場から提言をしていたのでしょう。村上氏がメディアに取り上げられていた当時はまだ今のようにコーポレート・ガバナンスという概念も一般的でなく、企業も重要視していなかったため、物言う株主=部外者のくせに口をだす厄介者のようなイメージだったのかもしれません。

 

企業価値の最大化のために努力していない会社の経営者に対して、積極的に介入していくというのも株主である投資家としての権利であるという視点は、正直今まで持ったことがありませんでした。改めて企業の株式に投資するということが、経済活動に大きく関わる重要さ・面白さをもつことだということを学びました。

 

 

ナミ
ナミ
この本は、私がこれから投資を続けていく上でのバイブルになるでしょう。投資をすることの意義・面白さ・戦略など、村上氏の投資人生を一緒になぞりながら学べる、最高の一冊でした。

 

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